理科実験で女子生徒やけど

http://www.mainichi.co.jp/edu/edunews/0307/31-3.html

自分が7月30日に紹介した記事の詳報なのかな?

ネタ元はMagMellさんのところ。当サイトを紹介してくださっていたので気がついた次第。ありがとうございます。

7月30日の時点では、中身を端折って歪んで伝える新聞記者に腹を立てて、そういう方向で自分の考えを書いて纏めてあります。とりあえずまだ未読の方は御一読を。
http://d.hatena.ne.jp/sagami3/20030730#p1

7月30日の時点でお相手してくださったかさねかさねさんもこの毎日新聞の記事に反応されていました。私たちが負けた、というだけでは済まない根の深さが垣間見えて、非常に悲しい気分です。ここまで学校教育は腐っているのか。という感想しかない。

ということで、今回の記事には7月30日のyahoo!の記事(いまは削除されているので記憶で書いています)ではまるで触れられて居なかった実験手順と、学校側の対策が掲載されています。

ということで。問題部分を引用しておく。

 理科の担当教諭は実験前にバーナーの炎を小さくし、エタノールは少しずつ垂らすよう指示していたという。同校校長は「ビーカーではなく、スポイトなどの器具を使わなかった点など安全への注意が不十分だった」と話し、市教委学校教育課も「安全管理上で配慮を欠いていた」と話している。

私はこの実験を、中学生に操作させること自体がおかしいと思うのです。危険を伴う実験であるというだけでなく、有機化学を学んでいない中学生に、この実験の反応式を説明できないハズで、実験をさせる意義がそもそも判らない。

という問題を棚上げして、「スポイトを使うべきだった」と発言してしまう校長先生もどうかと思うし、「安全管理上で・・・」なんていう発言しかできない市の教育委員会も判っちゃ居ない訳です。そして、現場では事故から1ヶ月以上たった今でもそれが問題だと思っては居ないのじゃなかろうか。

この実験、教師が操作するんであっても、熱した銅粉にビーカーからエタノールを注ぐなんてあり得ない。化学実験のプロだって、こんな操作をしたら火傷するような気がする。
スポイトを使ってたって十分ヤバい実験操作だと思う。
私は熱した銅線をエタノール蒸気に曝す、という実験の手順を想像していたので、ますますビックリなのです。中学生にそれをやらせたのか! しかも、その実験手順自体を問題視していないのか!
それに、MagMellさんの書いたものを読んで今さら気がついたのだけれど、この実験ならドラフトを使いたい。っちゅーかアルデヒドの匂いを楽しんでいる場合じゃなくて、本当はドラフトを使うべき内容なのだ。
でも、中学の実験室にドラフトはかなり贅沢装備かと思う。私が通った中学には、生徒用のドラフトは無かった。教師が使えるドラフトは1台あって、教師が濃塩酸の希釈操作などをするときに利用していて、自分は課外授業で借りた記憶がある。
私の化学好きは、そんな課外授業に付き合ってくれ、良いアドバイスをしてくれていた中学の時の先生のお蔭なのだなぁ。とこのネタに触れる度に思うので、事故の原因が教育現場、というより市の教育委員会でさえ本質を掴んでいないという荒廃ぶりがとても悲しいです。

感情に任せてとりあえず書いてみた。纏めは識者にお願いしたい。

また、教師の質の低下は対策を真剣に考えるべき。あれほど給与が安いのに重労働のうえ責任の重い職業を、名誉職だからという理由だけで優秀な人材を集めようという姿勢ではどうにもならないだろう。教育制度を弄っても、現場での教え方を工夫してもダメなレベルまで来てるんじゃないだろうか。
とりあえず、学科を教える教師はクラス担任をしないで、理科の先生なら理科室に常駐している。興味のある生徒には課外でも常駐している学科の先生の監督のもと、理科室が開放されているという訳です。逆にクラス担任は学科以外の学校業務に専念してもらうというのはどうだろう。過疎化に晒されているたくさんの小さい学校は難しくなるだろうけど、そんなことをきっかけに学校の統廃合を押し進めても良いのでは?