みちびき、について

日本版GPS衛星7機体制を報道する読売記事を補足する - 木走日記
この件を勢いでブクマしてツイッターに転送したら、厳しいツッコミやら同意やら、なかなか楽しかったのでメモしておく。

こういうの怪しい記憶で早まって書くと良くないね。反省。

 んで、ざっと調べ直したんだけど。
静止衛星軌道の軌道高度は3.5万kmは良かったんだけど、準天頂衛星軌道の軌道高度をよく分かってなかった。よく考えたら、結局経度軸側はおおよそ日本上空に留まる軌道な訳で、3.5万kmのあたりを行き来することで釣り合ってるんだ。だから悪条件の時の準天頂衛星軌道の軌道高度は静止衛星軌道のそれよりも悪くなる。近地点高度3.3万km〜遠地点高度3.9万kmと。

 んでさらにオイラGPSの軌道高度を2000kmと一桁間違って記憶してた。これでもISSよりは一桁上なんだから宇宙は広い。実際はGPS衛星って、2万kmあたりを飛んでるのね。だよなそりゃ。
 ISSの飛んでるのを肉眼で見たことあれば、ISSの十倍程度の軌道高度で常に4機視界に入れるために必要な衛星数を想像しても判る。

 ということで、GPS衛星とみちびきの軌道高度との差は実は2倍程度。電波の出力を4倍程度にしてあげれば、受信機の能力はそのままでも行けると思う。GPS衛星の空中線電力と、みちびきのそれがすぐには調べられなかったりしたんだけど。

 これは言い訳だけど。みちびきは、測量用途や航空管制などのGPS精度が必要な特殊業務用に、大きな受信アンテナを別途用意して運用するものだとばかり思ってたのよね。


 GPS衛星の送信出力も、世代を更新するたびに大きくなってきているはずで、今では携帯電話でも余裕で受けれるほどになっているのだけれども、GPS衛星の4倍程度で良ければそのうちなんとかなるのかもしれない。

 ただGPSシステムが止まっているときに、単独で運用できるようにする、という所までは要らないと思うな〜。あとトラポン載せて双方向通信とかも余計だと思う。そいうことは通信衛星でヤレ。ただ、24時間運用はやっぱり欲しいよね。軌道上予備も欲しい。最低4機?
 そいう最小限構成で続けるにお金がどんだけ必要で、という話は出てるのかな〜。将来はアレもこれも、という掛け声はいいんだけど、インフラの話なんだから、始めたのはいいけどお金なくて継続できませんは寂しいぞよ。

たとえば、次期ひまわりとか大丈夫なのか。ひまわりの現在は軌道上予備が控えて居て5号の末期のころに比べれば全く安心なのだけれど。ひまわりの地上予備って今無いし、次の予定は2014年打ち上げ? うーん。またギリギリだよねぇ。

あと、GPS衛星を静止軌道上に複数並べても、精度を上げるのには役にたたないと思う。原理から考えて、中心点の位置が近いというのは致命的だよね。静止軌道上では軌道位置も、軌道高度も似たようになってしまうのだから。静止軌道上は正一基と予備一基まで。そう考えると、あいのりするならひまわりだよな。