RFIDについて、つづき。

昨日の記事を先に読んでね。http://d.hatena.ne.jp/sagami3/20080228
締めがイマイチ、と万来堂さんに言われてしまったので、もう少し書きます。

そもそもRFIDって、バーコードの代替として開発されているなかで、出入り口ゲートで品物の流れの監視というのはバーコードには無い機能で、RFIDならでは、のオプション機能だったはずなんです。
書店の実務で、これがあれば大変ありがたいというのは判るのですが、EMC問題を筆頭に現在の技術では難しいことも確かなんですね。また、パッシブタグの仕組みから考えて、一度始めてしまえば技術革新が起こって安全になる、ということも難しい。RFタグがより低消費電力になって、電力を下げられるようになりました、ということになって、リーダの出力を下げてしまうと、古いRFタグが読めなくなってしまう。商品の回転の速いスーパなどでは良いでしょうが、書店や図書館ではそうは行かないでしょう? 図書館の蔵書のRFタグをまた全部付け替える? まさか!

そしてまた、スーパなど商品がある程度のサイズがあれば良いのでしょうが、書籍って小さいんですよね。バッグの中で電磁波遮断ネットなどに入れてゲートを通過されれば、結局役には立ってくれないと思われます。これの対抗策? 電波の出力を上げるしかないんですよね〜。って、アルミホイルみたいなものに包まれてしまえばいくら出力を上げてもどうにもならないのですが。

EMC問題は微妙です。技術屋は機械間同士の混信というか、ノイズによる誤動作を心配し勝ちなのですが、生体に対する影響は専門外なこともあって本当に難しい。

おいら、アマチュア無線してたとき、アンテナから電波が出ているの感じることが時々あった。アマチュア無線で利用できる電波って、RFIDなんかに比べると桁違いに大電力ですからね。でも、それが健康に影響あるか? となるとまた別問題でしょう?
1.2GHz(当時は1200MHzといった)のハンディ機を付属アンテナのまま外部電源で使ってると、確実に頭痛したもんね。これやべぇ。とか思ってた。でも、使用をやめればすぐ元に戻るし、一瞬浴びたぐらいで影響あるか? といえば皆無かとも思うんだけど、まぁこれが実証されてないから怖いわけだよね。

ただし、心臓ペースメーカなどの電子機器に対する影響は、しっかり測定できるのできちんとすべき。
ただこれも、心臓ペースメーカ側で電波に対する耐性を持ってもらうほうが正しいと技術屋的には思う。心臓ペースメーカ側でこれだけの電波を浴びても平気なものしか体内に埋め込めないよ、という基準を作ってもらうほうが良いように思うんだよねぇ。そしてこっちはメンテナンス必須だろうから、この基準が施行されて、古い旧規格のペースメーカを装着している人が居なくなったらRFID解禁、みたいな話になってくれないのかな? とか思うのですが。

ということで、技術屋的に言いたいこと言ってみましたが、心臓ペースメーカを設計したり、運用したり、使用したりしている人には当然別の言い分があると思われます。

asahi.com:ゆりかもめ立ち往生、ハブの設計に問題 調査委報告書 - 社会

http://www.asahi.com/national/update/0229/TKY200802290066.html
2006年4月に、営業運転中に車輪が外れて立ち往生する、という事故があったんですが、それの調査報告書が出た。
ハブの強度を上げるのは、改善にならないと思うんですけど〜。こういうのは、壊れやすいところが壊れることによって安全を確保するという考えもあるので、ちゃんと検査して壊れる前に交換する、という方法のほうが事故は減ると思われる。検査のコストが上がるので運用としては困り者だけど、そのほうが故障を予想できる分安全。単に弱いところの強度を上げちゃうと、思いがけない他の弱い部分が突然壊れちゃってまた事故になるんだよね。

ゆりかもめ脱線、車輪部分の設計変更求める 事故調報告書 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/080229/dst0802291029004-n1.htm

NIKKEI NET(日経ネット):新交通ゆりかもめ事故、金属疲労でハブが破断・事故調
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080229AT1G2804W29022008.html