新型インフル、混乱の1か月 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090608-OYT8T00304.htm
なんか、全体的にツッコミどころ満載で良くない記事。こういう連中が偏った情報を報道しつつ、「冷静に行動してください」とか言って煽るから混乱するんだよ....。

第2波に備え

 秋以降に流行する可能性がある第2波の襲来にどう対処するか。政府は、監視システムの強化、新型用ワクチン、検査キットの開発を対策の3本柱に掲げる。

 高校生を中心に感染が拡大したことから、従来は中学生以下が対象だった学級閉鎖の監視網を高校生にも広げる。前週の情報を毎週火曜日にまとめて公開するよう速報性も改めた。患者の症状や治療内容に関する情報を医師らで共有するシステムも新たに作る。

 また、今秋以降に使えるようになるとみられる新型用ワクチンについて、副反応の情報を集めるシステムも構築する。発熱や倦怠(けんたい)感などの副反応を迅速に把握する狙いがあり、手足のまひなどの重い副反応が見つかった場合、必要に応じて接種の見直しをする。

 一方、今回の流行で問題になったのが、簡易検査の信頼性だ。新型を含むA型インフルエンザかどうかを調べるものだが、国立感染症研究所と神戸市が43人の患者を調べた結果では、20人(47%)が簡易検査では陰性だった。発症当日などウイルスの排出が少ないと検出できず、米疾病対策センターCDC)でも、あくまで補助的な診断法にすぎないとしている。そこで期待がかかるのが、理化学研究所などが先月下旬に開発に着手した新型ウイルスの簡易検査法だ。特殊な酵素を使ってウイルスの遺伝子を増やす。遅くても半年後には試薬が完成する見通しだ。30分〜1時間で結果が出るため、約6時間かかる現在のPCR法よりも大幅に検査時間を短縮できるという。

これひどくない?
秋以降にもう一度流行があるのは、当然のこと。高校生の間で流行するだろうと予想されているところまでは納得。
でも、監視システムの強化というのは、予防にはあまり役に立たないよね。疫学的にはとても重要なことなのだろうけど、医者の先生がたが注意してくれればよいのであって、国民に向けてマスコミが報告するようなことではない。
新型用ワクチンも果たしてどうか。こうして副反応の心配をしながら比較的症状の軽い新型のものを使うより、従来の季節性に対応したものを接種したほうがいいのではないのか?
さらに記事として酷いのが簡易検査の信頼性についてのくだり。そんなこと、たびたび子供が小児科にお世話になっていればオイラにだって判るんだから、現場の小児科医は当然と考えている。おいらの認識では、タミフルを保険で処方するためには簡易検査で陽性にならなければいけないとかいうルールがあるために実施している、という気がする。それで、そうして処方してもらったタミフルも、たいして効果はないのだったりするよね。子供の風邪なんて、おとなしく寝ていればたいていは治るのだし。ただ、このたいていの範囲から外れると亡くなったりする人がいる、というところがインフルエンザの怖いところなのだけれど、その範囲に入ってしまったらその時に覚悟するということで良いのではないか、と思っている。
また、簡易検査で陽性になったばあい、確実にインフルエンザと言えるので、即出席停止になるし、タミフルは処方してもらえるという次第。で、インフルエンザだったのに初回陰性だったとき、2日経っても熱が下がらなければ結局その間は学校には行けないし、もう一度病院に行くとやっぱりインフルエンザだったんだね。でも明日には熱は下がるよ、とか先生に言われるだけだったりする。そして実際先生のいうとおり翌日には熱が下がるんだよね。

さて、読売の記事に戻るけど、新型ウイルスの簡易検査法の解説もいい加減すぎないか? 現状約6時間かかるPCR法よりも、30分〜1時間で結果が出る新しい検査法すごい、という話をしたいみたいだけど、そのPCR検査1回にどんだけ費用が掛ると思っているのか。また、近所の診療所では普通ここまでの検査はできない、ということを解ってるのかな?

現状の簡易検査キットは、近所の診療所で10分程度で結果が出るんだよ? これすらそれなりの費用が掛るから、寝てれば治るだけの体力のある、既往症のない子供には、別に検査しなくてもいいんじゃないの?どうせ簡易検査の信頼性も怪しいんだし、という意見もあるくらいで。

このへんの話、学者さん的にはまだまだいろいろ面白い領域で、せっかく今回のネタで話題になってマスコミが取材に来てくれれば、どんどん広報して研究費を要請したい、という世界なのだろう。これに乗っかって踊ってるマスコミってもう全く駄目な気がするんだよね。



どっちみち、私は毎日満員の電車に揺られて通勤する、なんてことがない田舎住まいなので成人してからはインフルエンザの予防接種はしたことないし今後もしない。運悪くうつされたら諦めて1週間寝込む覚悟をしている。
ただ、今年だけはまぁこういう状況だし、カミサンが今年の秋には出産の予定なので、幼稚園に通っているチョウナンだけは考えておいたほうがいいのかな、とは思っている。去年B型を喰らっていたしね。このときは一発でB型判定だった。熱が出始めが前日夕方で深夜には茹であがって、先生のところに連れて行った翌朝が一番辛そうな時期だったから。子供の病気は進行が早い。

子育て中の親としては、手洗い、うがいをきちんとして感染を防ぐ。早寝早起きして、病気と闘える健康な体作り。という生命としての基本に忠実に行くしかないんだ、と考えています。